ゆうきのブログ

個人のメモ用の、少し堅めの内容のブログです。

社会・情動発達とその支援(6章:アタッチメントの発達)

【アタッチメントの発達】

いやあ、いい本だなあ…。すごく深い。今日はアタッチメントの発達の章を少し読みました。

ボウルビィのアタッチメント理論の源泉には、①精神分析、➁動物行動学、③サイバネティックバネ(システム工学)の3つがあると言えます。そして一般には、ボウルビィや弟子のロバートソンの母子分離研究が第1世代。アタッチメントを評定する手段としてストレンジ・シチュエーション法が考案されたところが第2世代。1985年以降の大人のアタッチメント研究が第3世代。現代はアタッチメント理論の臨床的応用の時代に入ったので第4世代になるようです。ボウルビィはアタッチメントの発達について4つの段階を考えました。特に真のアタッチメントが出現するのは3つ目の段階で、2~3歳頃(この頃の関わりって、アタッチメント形成を大きく左右することがあるんだなと感じたところが私の考察です)。ただ、2~3歳以降のアタッチメント対象の予定や意図を汲み、それに合わせて行動できる段階ですが、近年ここの研究が進んでいないようです。「心の理論」との関係も注目されていますが、本格的には研究が進んでおらず、さらなる研究が待たれます。あと、幼児期以降や児童期におけるアタッチメントは、評定手段が確定しないこともあり、ここも未開拓な分野なようです。

[考察]

アタッチメント発達の4つ目の「アタッチメント対象の予定や意図を汲んで行動ができる」という箇所で課題が残っている子、現場には結構いませんか?他府県等でも、わりと聞くんですが。そういった子供たちの指導・支援を考える際に、一足飛びにここは進まないということも踏まえて、丁寧なアセスメントが必要なのだと思いました。それ以前の3つ目の段階はどうか、もとより、3つ目の段階である2~3歳頃の生育歴はどうか。その辺りのアセスメントも合わせて必要になってくるのではないでしょうか。そんな風に思いました。

あと、今までの歴史を知ることで、「ここまではできる(わかる)はずで、ここからは未開拓」ということがわかったり、「過去に研究されて生み出された便利なもの」を知ったりすることができると思います。何より「そもそもを知る」ことで、捉えが深まるので最近特に大事かと思っております。

次は、P101から読み進めていきます。