自己調整学習への批判という視点からも、書籍では考察が書かれています。
自己調整学習というと、「こうやってしますよ」「こんなにいいんですよ」といったものばかりに目がいきがちです。でも、「そもそもなぜ人は、自己調整をするのか」という視点が大事。
私たちで考えていくとそうですよね。「自己調整流行りだよ。いいもんだからやってみようよ」と言われてするものではないですし、する人はあまりいないと思います。そう「なぜするのか」という視点を抜きにすると、単なるアプローチ論になってしまうんです。ここってすごく大事な点やと思います。
そう「自分が向かう方向に沿って取る行動が、自己調整と結びつく」。端的に述べられているのは、「アイデンティティの確立」が自己調整学習の基本的な動機なんだと。
そうなんですよね。本人がどうしていきたいか。そのために、何が困るのか、どうしていったらいいのか。そのために自己調整が必要になってくる。
やっぱりどこまでいっても「本人ありき」。ここが抜けると、どんな理論も意味を失うんだろうなと、思いました。
なんだかスッキリした気がします。