【帰属フィードバック】
セルフエフィカシーが低い子に対して高めていく場合のフォードバックの仕方という研究もあります。
「能力があったからできた」というフィードバックと「努力をしたから」というフィードバック。
シャンクの1983年の研究では、引き算が苦手な児童たちへフィードバックの研究を行った際に、能力へのフィードバックが最もセルフエフィカシーと計算スキルが高まったとありました。
また、順番についての研究もあります。それによると、まず「先に能力へのフィードバックを行ってから、「他の能力へのフィードバック」or「努力へのフィードバック」という順番が、セルフエフィカシーと計算スキルの上昇が著しかったようです。
ちなみに、能力へのフィードバックというのは、「この課題が得意だね」といったもので、努力へのフィードバックというのが「よく頑張っているね」といったようなフィードバックです。
ここからは考察です。3つあります。
1つ目。何かのテレビ番組で「能力を褒めるよりも、過程、つまり努力を誉めることが大事だ」とありましたが、それと逆なことにちょっと驚きました。もちろん何事も前後の文脈があるわけで、「絶対こっちがよい」ということはないですよね。
2つ目。でも、自己効力感を高めるには、「自分はそれができそうだ」という感情なので、どちらかというと「それができる力がある」ということなので、その能力に対してフィードバックをしていくということは、理にかなっているのか。なんだか腑に落ちたような気がします。
3つ目。「やればできる」なんてまさにそうだと思いました。「やればできる力はある」けれど、「今回はしなかった」ということなので、セルフエフィカシーを下げないことに繋がるんですね。
何を高めたいか。仕組みをこうして知ると面白いですね。ただし、子供たちそれぞれの全体性を大事にしながら取り組みことはポイントかなと思いました。