ゆうきのブログ

個人のメモ用の、少し堅めの内容のブログです。

主体性~内発的動機づけと外発的動機づけ~

「内発的動機づけ」って、なかなか高度なレベルの動機づけです。

「お給料もいらない。他のことを我慢してでもいい。自分がしたいからする」って、生涯かけて一つ見つかるかどうかではないでしょうか。

外発的動機づけの「同一化的」つまり「大事なことだからする」辺りでも、内発的動機づけではないけれど、わりと十分な気がします。「何故大事か」が理解できていると、学びが将来に繋がっていくと思うからです。

教科指導でもそうで。「クラスの全員を算数好きにしよう」とすると、どこか「焦ってしまい」「目標を高く設定しすぎて」「押し付けてしまう」場面が出てくるような気がします。そうなるのが結果的には理想ではありますが、現実的には全ての場面でのそれは、難しいのではないでしょうか。

それよりも、全員が目指すとしたら「算数は、嫌いではない」辺りが妥当な気がします。もちろんその中でも「算数が好きで好きでたまらない」内発的動機づけに溢れた子が出てくることは、目指していくとよいとは思います。

 

また、始めから「内発的動機づけを目指す」ことを重視しすぎなことも、少なくないような気がします。

まずは「やってみる」中で、良さがわかってくることもあると思います。それが徐々に内発的動機づけに移行していく。その移行の仕方も、学校教育だからこそできやすいものの一つではないかと感じます。

ただ、ASDADHDの子等は、最初から内発的動機づけの要素が大きく行動に関与してくる子もいます。その子たちには、もちろん、そういった内発的動機づけを最初から狙ったり活用したりしながら学習を組み立てていく方が、うまく進むことが多いような気がします。

 

なんにせよ、「内発的動機づけが全て」ではないですし、「外発的動機づけから入ることがベスト」なわけでもないと思います。

人ってみんな違います。子供に合わせた、”中唐でいること”が、ほどよいバランスでよいのではないかと思う、今日この頃です。

※画像は、「白杉@EduAca作成」より引用

自己調整と合理的配慮

自己調整と一言で言っても、やっぱり様々あるなあと思います。例えば、

・休憩を取る(休憩を適宜取るスキル)。

・今すぐせずに、後でする(集中しにくい時間帯を避ける、やりやすい時間帯を認知して調整する)。

・得意な方法でする(始めは教員が方法を提示することから始める)。

・苦手な課題は、少なくする。

・苦手な課題は、場所を変える等、環境を変えて行う。

 

特別支援学級の場合、ここで絡んでくるのが合理的配慮。ここと自己調整は、密接に関係してくるなあと感じます。

そのためには、権利のことについても普段から話しておいて、理解を深める必要があります。

民主主義についても、難しい言葉は教えなくていいので、学級会での話し合い等から体感しておくことも、大事やと思います。権利は民主主義と密接に関しているから。

 

この辺りが繋がって1本の線になると、長い時間をかけて、じわじわと成果を発揮してくるような気がします。

そんな、自己調整の取り組みができたらいいなあと、なんとなくのゴールを思い浮かべます。

自己調整学習

自己調整学習の「HOW(どのように教えるか)」は、トップダウン的で、対人的に導かれた枠組を支持しています。例となるモデルを見せ、指導していくやり方です。

Zimmerman&Kitsantas(2005)は、「自己調整スキルへの社会的認知的経路」と呼ばれるモデルを示しました。まず教師による明示的な指導とモデリングから始めます。よく聞いて真似るところから始めます。模倣機関に、子供たちは真似てみて、教師からのフィードバックを受けます。まさに、SSTですよね。

Reeve(2008)は、教師が、これらのスキルを教えていくと同時に、子供たちの自律性を促すことも大事であると述べています。自己調整のスキルを必要だと判断し教えていくと、子供から見ると、教師が強制していると感じる場面でもあります。そこで教師が必要になるのは、子供たちが「強制されている」と感じるものではなく、自律的な動機づけを育まれていると受け取れるものになるようにすることです。そうなることによって初めて、高い自己調整力が保持されていきます。

始めは誰かに教えてもらいながら対人的なものとしてスタートし、最後は自己指導的なものになっているイメージです。「教師と始め、終わりが自分で」という形。「やることは同じでも、持っていき方により結果は違ってくる」というのは、どこで何してもあるなあと感じました。

 

SSTのスキルも必要で、ベースにはABAの考え方。メタ認知がどのくらいできるかは発達心理学的な側面が必要で、できたことを正の強化で行動の定着を目指す。

まさに、心理学の要素が満載な学習理論だなあと、読んでまとめていて、思いました。

ここをもう少しまとめて、現場で有効活用していきたいです。

自己調整学習

自己調整学習って、心理学の様々な知見が、包括的に入っているんだなあと思います。
今まで学んできた心理学の、ある意味ゴールな気がします。

「自己調整」がクローズアップされるここ最近。
ただ、大事なのは
「なぜ自己調整するのか」
「何を自己調整するのか」
「どのように自己調整するのか」
とりあえず自己調整をする…ではないんですよね。
流行りに乗ってやってみるのは、よい面もあるでしょうが、危険な側面もはらんでいるので注意が必要かと思います。

特別支援学級だと、中にはそれらがはっきりしやすい子もいると思います。
例えば、必要な合理的配慮を、自分で申し出ることができるように。
得意と苦手が極端な場合、得意な方略をたくさん見つけて、苦手を自分で補えるように。
そのために、必要な場面で自己調整を行う。
自立活動で行うことが多いでしょうか。
自己理解から入るか、自己有用感を高めることから入るか。
動機づけをどのように関連付けていくか。
強化子という概念は、動機づけと自己調整を結びつけることに、一役買ってくれることと思います。

なかなか面白いですね。

自己調整学習の3段階

自己調整学習は、「予見」「遂行コントロール」「自己省察」の3段階からなっています。

この3つの段階には下位プロセスがあります。

学習者は「予見」の段階で目標設定を行い、方略を選択します。目標の設定や方略の選択場面では、学習者の持つ自己効力感が大きく影響します。高い自己効力感を持つ学習者は動機づけが強化されるとともに学びへの興味も強化されます。

次に、「遂行コントロール」では選択した学習方略や遂行状態の自己モニタリングが行われ、自己の学習について調整・コントロールが行われます。

最後の「自己省察」では、自己評価・結果の判定・原因探究・修正・調整・対策が考えられ、これら一連の段落についての自己反応(プラス/マイナス)が生起します。これが自己調整学習の循環サイクルで、うまく回っていると継続的に循環し、能力が向上していきます。重要な役割を担うのが、メタ認知能力です。自己調整学習能力はメタ認知の向上とともに熟達していきます。

また、高い自己調整能力を有する子供は多くのことが学習でき、結果として自己効力感はさらに高くなります。

 

「自己調整できる子供を育てる」というのは、教育の究極で永遠のテーマな気がします。

自己決定と内発的動機づけ


https://x.gd/5Nv1o
この論文の最初の説明が、なかなかわかりやすいです。
宮川は理解度が低いので、同じ説でも何回も読まないと理解が進まないので…💦
自己決定と自己調整の整理が少しずつ進むような気がします。外発的動機づけと内発的動機づけが連続性があるということも、納得できます。
「全てを内発的動機づけで」という理想ばかりが先行しても浮世離れしてしまうので、現実的な側面も大事にしたいです。
特支の子って特に、ここって大事だなあ。。。