心理学を学んでいくと、脳のことに関する記述が出てきます。
「脳の仕組みを知っても、実際の取り組みには関係ない」と思っていた時期もありました。
では、どうして心理学で脳のことを扱うことになったのか。
一つのエピソードがあります。
それは、「フィネアス・ゲージ」の事例です。
ただし、ちょっと過激な事例ですので、ご了承ください。
鉄道の技術職長だったゲージは、頼りがいのある良心的で「バランスのとれた心」の持ち主だったようです。
しかし、爆発に巻き込まれ、鉄の棒が彼の頭を貫通してしまいます。
幸いにも一命はとりとめたものの、それ以来彼の性格が、「下品で、激情的で、飲んだくれ」になってしまったそうです。
ただしこれは、脳のどの部分にどのくらい損傷が起きたかということははっきりしないため、十分な解釈ができているわけではありません。
しかし、「心というものは、生物学的な現象であり、脳に直接対応づけることができる」という論を押し進めることになった、一つのエピソードになっています。
だから心理学において脳の仕組みを知ることは重要な要素の一つとなっているですね。
それにしても、ちょっと過激すぎるエピソードですが…。