ゆうきのブログ

個人のメモ用の、少し堅めの内容のブログです。

心の理論と進化発達心理学

【認知発達とその支援】心の理論と進化発達心理学

引き続き、試験勉強です。

心の理論。これってスゴく不思議ですよね。自分とは違うヒトという生き物の、どこを見ているか、何を考えているか、それを想像して関わることができるなんて。結構神秘的な存在やと思います。

それだけ、認知の中においても特殊性があるということで。

こういった心の理論。他の動物には他者視点くらいの部分的なものは見られるのですが、ヒトのように「細かな仕草から相手の気持ちを想像して自分の行動を決める」というところまではできていないのでは?という説が有力なようです。

何故か?というところの説明は、社会的認知における進化の違いが反映されているのではないか、という進化発達心理学があります。

進化の過程で、必要であり、行動を強化し続けられたものは残りそして進化し、そうでない行動は消去、すなわち淘汰されていったと。

大型動物には力で劣るヒトが、集団における狩りの工夫など社会的認知を工夫して生き残ってきた歴史が、現代のヒトにまで残っているということです。だから、心の理論を使う場面が多く、必要とされ、今まで残っていった。ここは考察ですが、心の理論もシェイピングされ、徐々に複雑な気持ちも理解できるようになってきていると考えられるのではないでしょうか。現代のSNSを通して心の理論の展開も、そういった意味で、新たな進化の過程上にいるのかもしれませんね。

ASD児に見られる心の理論の獲得の困難は、進化の過程なのか?と言われるとそうではなく、脳の機能基盤の違いという説が有力なようです。

つまり、ヒト以外も含めた動物の心の理論を考えると、進化論的基礎と脳の機能的な基礎の上に、心の理論が成り立っているのではないか、と考えられているようです。

この進化という視点、面白いですよね。奥が深いです。