【実験心理学の父 ヴィルヘルム・ヴント】
現在の心理学の大元が、生まれたのはこの人がいたからこそ。
それまでは、心を扱うのは「哲学や宗教」の領域でした。
それを、科学的としてのアプローチをかけ、心理学が誕生しました。
彼の特徴は主に3つあります。
[① 意識]人が何かを経験するときの意識を分析して子心を理解した。
[➁ 要素]意識経験はいくつかの要素で構成されるという考えで、細かい要素を集めた。
[③ 内観法]実験参加者自身に自己観察で意識内容を話させる手法。客観性には問題が残る。
その後、ヴントの心理学への批判から、心理学がさらに発展していくこととなります。
主な批判と生まれた心理学は次の3つです。
[➊ 全体性]人の行動や心理は、要素に分けるのではなく、全体性を大切にすべき。
→ゲシュタルト心理学へ発展。
[➋ 精神分析]意識以上に大事なのは、無意識の働きである。
[➌ 行動主義]内観は外部からは観察できないので、客観性に欠ける。
→ワトソンの行動主義心理学へ発展。
ちなみにこの後、「やはり行動の裏にある心を考えるべき」という考え方が台頭し、現在の認知心理学の発展へとつながっています。
現在まで一部形が残っているヴントの心理学は、驚くべきものです。
このように心理学をざっと並べてみると、様々な立場があることがわかります。
よくよく考えると、心理学と口に出して言わないだけで、メタ認知していないだけで、知らず知らずのうちに、周りの人って、どれかの心理学の立場を少なからず取っている、と思いませんか?
そうなんです。だからこそ「それぞれの心理学の立場を知る」ということは大事やと思います。
そもそも、支持する立場が違うと、前提条件が違います。前提条件が違うのに、具体的な支援の話を進めても、ぶつかるだけです。
相手に前提条件に気づいて、同じ立場を取り、同じ前提条件で話をすることが、支援者同士の衝突を減らし、支援チームが崩壊することを防ぐことに繋がるのではないかな、と考えます。
そう、「協力して」「連携して」というのは簡単ですが、ここまで教えてくれる人ってあんまりいません。
でも、多様性を認めるには専門性も必要やと思います。
だからこそ、様々な心理学の立場を知ることって、自分にも恩恵があると思います。
もちろん一番は、「子どもへ観方を変えて関われる」「視点が増える」というのが、一番のメリットやと思います。