【自尊感情について】
自尊感情を提唱したのは、ブラウンとマーシャル。
二人は、自尊感情を
①全体的自尊感情
②自己価値感情
③自己評価
の3つに分類しました。心理学で自尊感情といった場合、①の全体的自尊感情が最も想定されています。
自尊感情を測定する際には、ローゼンバーグの自尊感情尺度を用いられることが多いです。
では、自尊感情はどのように決定されていくか、ジェームズによると、自尊感情は、願望を分母に、成功を分子として数式で表されています。つまり、成功が大きくなれば自尊感情が高くなり、願望を小さくすることによっても自尊感情は高まります。
また、ハーターによると、8歳頃から自尊感情が生まれるます。そして、自分が他者の視点からどうとらえられているかによっても自己を評価するようになり、自尊感情に影響してきます。
望ましい自尊感情については、高すぎる自尊感情の負の部分が報告され始めています。自己愛傾向をともなう高い自尊感情、低い共感性、過度の承認欲求は、そして不安定な自尊感情が結びつくと、攻撃性が生み出されるというモデルも仮定されています。
欧米の研究では、自尊感情が高いかどうかよりも、不安定か安定しているか、評判等に依存するものではないかどうか、自己価値感情と一致しているかどうか、防衛的か本物か、等の4つの点から、高さよりもその質が問われると提唱されています。
【考察】
「自尊感情の低さ」がよく話題に上がりますが、高さだけでなく、質的な視点とその背景等にも着目しながら広い視点で考える必要があるなと思いました。
また、マズローの欲求5段階説ともいったりきたりしながら考えると、目の前で起こっていることがより整理されるのではないかなと感じました。特に、自尊感情をした下支えする”安全の欲求”等は、安全基地とも密接に絡んでくるため、愛着に課題にある子の自尊感情の低さともつながってきます。幅広い視点と視野が必要ですね。